少子化の波を受け、学校法人の生き残りをかけた生徒争奪戦が繰り広げられる昨今。各校の制服もコーポレートアイデンティティを表現する手段として、競うように(いやむしろ競い合って、)趣向を凝らしたデザインが生み出され続けています。
このシビアな情勢を背景に、制服デザインにも優れたチェック柄が用いられています。フォーマルファッションのデザインには“グレン”“ブラックウォッチ”といった定番チェックやタータンチェックが使われるのが一般的。しかし日本の学生たちが着る制服には、それだけでは括り切れないほどのバリエーションのチェックが使われています。
「かつて彼の島国のフォーマルデザインとして生まれたタータン。その進化系が、奇しくも大陸の反対側の島国で発展している。」
そう考えると、歴史のダイナミズムすら感じます。

チェック柄がいちばん美しく見えるアイテムはスカートでしょう。ネクタイでは面積が足りず、パンツではスカートのような動きが出ません。ジャケットやシャツに用いるのも良いでしょう、ただしフォーマルでは色がかなり限定されます。
私見ですが、チェック柄が最も映えるのはフォーマルな場面です。これは家紋として機能するタータンチェックを思えば当然といえます。学校というパブリックスペースに映える服装には、やはりチェック柄を使って欲しいです、是非とも。
また格子が被る部分は曲線が排除されるため、ボトムにチェック柄を用いるとトップスの曲線が強調される、例えばブレザーのシェイプが活かされます。スカートに限定すれば脚線の丸みがきれいに映ったりもするのです、理屈では。
というわけで無地のトラディショナルなジャケットにチェックスカートを合わせるのが最良です。
制服は軍隊教育のイメージが強く、80年代から着用義務を廃止する学校が増えます。しかし90年代にルーズソックスブームが訪れ、社会的に学校制服が持てはやされました。以降、制服を着ることへの嫌悪感が生徒たちの間から消え、気に入った制服アイテムを組み合わせて着る「セーフク」の時代がやってきました。
逆に学校指定のデザインはデザイナー志向からメーカー志向に遷移し、個性的な制服がだんだん減っています。
というわけでいろいろ考え処の多いアイテムですが、玉石新旧大量のデザインが入り乱れた制服の世界、チェックファンにはありがたいファッションカテゴリーです。

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